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百日咳の流行!!対策方法は?

2025年、百日咳(100日せき)の流行が日本国内で再び注目を集めています。​今回は百日咳について解説いたします。


1.百日咳とは?

百日咳は、飛沫感染を主な経路とする感染症で、百日咳菌(Bordetella pertussis)によって引き起こされる急性呼吸器感染症です。​特に生後6カ月未満の乳幼児にとって重症化しやすく、適切な予防と治療が重要です。

主な症状

  • 激しい咳発作:連続的な咳が特徴で、特に夜間や運動後に悪化することがあります。
  • 呼吸困難:咳の発作により呼吸が困難になる場合があります。
  • 嘔吐:咳の発作後に嘔吐を伴うことがあります。
  • 体力の消耗:咳が長引くことで睡眠不足や体力の低下を招くことがあります。​感染力が非常に強く、咳やくしゃみによる飛沫感染が主な感染経路です。​乳幼児や高齢者は特に注意が必要です。

2.流行状況

2025年に日本国内で百日咳の患者数が急増しています。​特に10代の若者を中心に感染が拡大しており、学校や家庭内での集団感染が報告されています。​

  • 患者数の増加:2025年第12週時点で4,200例の報告があり、これは2018年以降の同時期としては過去最多です。
  • 年齢分布の変化:以前は乳幼児の感染が多かったものの、現在は10~19歳の患者が約60%を占めています。
  • 耐性菌の出現:マクロライド系抗菌薬に対する耐性を持つ百日咳菌の報告が増加しており、治療の難しさが懸念されています。 ​

3.家庭でできる感染予防対策

家庭内での感染拡大を防ぐために、以下の対策を実践しましょう。​

ワクチン接種の徹底

  • 定期接種:生後2か月から始まる定期接種(5種混合ワクチン)を確実に受けましょう。※2024年から5種混合ワクチンが定期接種となる。
  • 追加接種:初回接種終了後、6か月以上の間隔をおいて追加接種を行います。

咳エチケットの実践

  • マスクの着用:咳やくしゃみが出る場合はマスクを着用し、飛沫の拡散を防ぎましょう。
  • 咳やくしゃみの際の配慮:ティッシュや肘の内側で口と鼻を覆い、使用後のティッシュはすぐに廃棄します。​

手洗い・うがいの励行

  • こまめな手洗い:外出後や食事前後には石鹸と流水で手を洗いましょう。
  • うがいの習慣化:外出から戻った際にはうがいを行い、喉の清潔を保ちます。​

室内の換気と湿度管理

  • 定期的な換気:1日に数回、窓を開けて新鮮な空気を取り入れましょう。
  • 適切な湿度の維持:湿度が低いと咳が悪化することがあるため、加湿器を使用するなどして湿度を保ちます。

早期の医療機関受診

  • 症状の早期発見:咳が長引く、夜間に悪化するなどの症状が見られた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
  • 家族全員の健康管理:感染者が出た場合、他の家族も症状に注意し、必要に応じて検査を受けることが重要です。

4.まとめ

百日咳は、特に乳幼児や高齢者にとって重篤な影響を及ぼす可能性のある感染症です。​2025年には患者数が急増しており、家庭内での予防対策がこれまで以上に重要となっています。​ワクチン接種の徹底、咳エチケットの実践、手洗い・うがい、室内の換気と湿度管理、そして早期の医療機関受診を心がけ、家族全員の健康を守りましょう。

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