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コロナ禍で病院へ行くときの注意点

日本の病院は、そこで働く医師や看護師、清掃員などさまざまな職員たちの尽力によって世界でもトップクラスの清潔さを保持しているとされています。

とはいえ、病院は感染症に罹患している方が通う場所でもあり、いくら病院側がしっかりとした対策を講じていても私たち患者側が感染予防のために注意すべき点はあります。
特にお子さんを持つ家庭やご年配の方は、新型コロナウイルス感染症の流行が続くなかで外来へ通院するのにも「感染してしまうので、逆に行かない方がいいのでは…?」と不安を感じる方がいるのではないでしょうか。

この記事では、コロナウイルスの特長を踏まえて、病院外来へ通院する際に感染リスクを低減するために気をつけたいポイントをご紹介します。日頃の生活に役立てていただければ幸いです。

1.素材の違いによるコロナウイルスの生息期間

ウイルスは、長くて数日間ほど感染力が維持されます。感染力の保持時間は温度や湿度、表面素材に影響を受けますが、例えば新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を消毒しなかった場合、ステンレス表面およびプラスチック表面で4日間以上、マスク外層上で7日以上感染力が維持されました。

環境表面の種類温度感染力保持時間
ステンレス22℃4日~7日
プラスチック22℃4日~7日
木材22℃1日~2日
マスク外層22℃7日~
衣類・ガウンなど22℃1日~2日
※日本リスク学会2020 より

2.病院でなるべく触れないようにしたい場所・モノ

  • 待合のテーブル、机

  • 待合の椅子(特に手すり)

  • 壁(寄りかからない)

  • 小児科にある玩具や本

  • 床に落ちているゴミやモノなど

※トイレ内ではペーパーや便座スイッチ、洗面蛇口以外は極力触れない。
※院内では自分のマスクや頭髪なども可能な限り触らない。

1の表のように、ステンレスやプラスチックの表面では、ウイルスの感染力は維持されやすいので、病院ではできるだけそれらには触らないようにすることが賢明です。

それでも気になるという人は、洗濯可能な手袋を着用するのも有効な手立ての一つです。

少し注意が必要なのは、備品や設備で「抗菌」とうたっているものについてです。「抗菌」だから安心と思っていても「抗菌」と「抗ウイルス」は異なります。「抗菌」は細菌の増殖を抑制することで、ウイルスを不活性化させるものではありません。

3.新型コロナの接触感染リスクは低い?

新型コロナウイルスが流行してから、「飛沫感染」「接触感染」という言葉をよく聞くようになりました。

飛末感染とは、感染した人の咳やくしゃみなどで出る飛沫を吸い込むことによって感染することを指します。
一方の接触感染とは、ウイルスを含む飛沫が手の触れる場所やモノなどの環境表面につき、それに触れた人の手から口や鼻に伝わって感染がおきることを指します。

その「接触感染」について、2021年4月にアメリカCDC(疾病予防管理センター)によると、新型コロナウイルスに関する一般向けガイドラインに次のような内容が加わりました。
「新型コロナは物体の表面に触れることによる感染のリスクは低い」
アメリカが行った研究によれば、不特定多数の人が手を触れた場所に10万回触ったうち、数回くらいの感染確率だと報告されています。
このデータから、新型コロナウイルスの感染対策には、いかにマスク着用を徹底することが重要なのかが分かります。
(諸外国はすでにノーマスクの生活が目立っていますが…)

しかし、医療機関などの感染者がいる可能性の高い場所ではこの限りでなく、頻繁な清掃と消毒を行うことがよいともしています。従って日頃の手洗い・手指消毒はもちろんのこと、特に病院へ行った際の手洗い・手指消毒は欠かさずに、念入りに行うよう心がけましょう。

4. 病院に行くときと帰宅後の手洗い・手指消毒

  1. 病院入館時または受付時の手指消毒

  2. 院内トイレを利用した場合の手洗い

  3. 会計後、病院を出るときの手指消毒

  4. 帰宅後の手洗い

以上は最低限守るようにしましょう。

忘れがちなのは、病院から出るときの手指消毒です。病院だけでなく、スーパーやショッピングセンター、飲食店、各種施設に入るときに手指消毒はしても、出るときにもするという人は少ないようです。「入るときも、出るときも手指消毒」を確実に。
手が荒れやすい人はその都度保湿クリームを使用するようにするといいでしょう。

さらに感染対策を念入りに行いたい方は、帰宅後の着替えと入浴(難しければ洗顔)を行いましょう。

5.まとめ

コロナウイルス対策をすることは大切ですが、必要以上に恐れることはありません。
感染のリスクを考えるあまり、通院や健診を控え病気が悪化したり病気の発見が遅れたりすれば本末転倒です。
大切なのは病院では不要なものには触れない、病院に入るとき・出るときに必ず手指消毒をする、帰宅後は手洗いを念入りに行うということです。
また病院の待合でスマホを眺めるという人も多いのではないでしょうか。帰宅したらスマホの消毒も忘れずに。「ウイルスの種類と家庭での消毒方法まとめ」でも書きましたが、アルコールティッシュなどで本体を優しく拭くだけで構いませんので、スマホの消毒も帰宅時の習慣に入れるといいでしょう。

コロナ禍でも健診や持病の治療、予防接種などの健康管理は重要です。正しい知識と対処法を身につけて、上手に病院と関わっていきましょう。

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